大判例

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名古屋高等裁判所 昭和25年(う)2041号・昭25年(う)2042号 判決

両弁護人の各論旨第三点(但し原判決明細表の一、二の点に関する部分を除く)及び被告会社代表者榊原勝一の論旨について。

原判決の法律適用は、唯単に法条を羅列しているのみで、食糧管理法と物価統制令との適用関係についても、その明示なく、又刑法第四十七条、罰金等臨時措置法第七条を適用し、更に被告会社に対する処罰の規定を欠いていること、洵に所論の通りである。刑事訴訟法第三百三十五条の規定に依れば、有罪の言渡をするには法令の適用を示さなければならないと定めてあつて、右の法令の適用とは、如何なる事実について、どの法令を、どのような順序で、どういう経過を辿つて処断するに至つたかを明にする趣旨である。然るに原判決は単に法令を羅列するに過ぎず、判示事実に対し、どの法令をどのような順序で適用したのか、全く不明である。又原判決は罰金等臨時措置法第七条を適用しているが、同条は刑事訴訟法中の罰金について適用せらるべき条文であつて、犯罪に対する刑罰たる罰金に関して適用する条文ではない。又被告会社は一の法人であるから、必らず法人処罰については明文なかるべからざるに拘らず、原判決は被告会社を処罰するに当つて、之れが処罰法条を明示していない。

以上によつて、原判決は法律理由の不備の違法がある。次に原判決は法律の理由において、刑法第四十七条を適用しているのであるから、懲役刑の併合罪の加重をなしたのに拘らず、主文において罰金刑を言渡している。左れば、原判決には、明らかに、法律適用上の理由のくいちがいの違法があつて、到底破棄を免れない。論旨は理由がある。

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